1/20(土)に、産業カウンセラー協会神奈川支部様の月例会で、LGBTに関するオンライン講座を担当しました。講座タイトルは「LGBTの相談対応 ~理解の前に知ることから~」です。20名ほどのご参加をいただきました。
1.「理解の前に知ることから」という副題にした理由


毎回講座のタイトルには頭を悩ませるのですが、今回は「理解の前に知ることから」という副題を付けました。その理由は、少々失礼な言い方になりますが、実は多くの方は理解する前の段階にあるのではないかと考えたからです。
LGBTなど多様性に関する講座や研修タイトルには、「○○を理解しよう」「△△を尊重しよう」「◆◆をなくそう」といった表現がよく使われます。私も、多くの方にLGBTを理解をしていただきたい気持ちは持っています。しかし、昨年のLGBT理解増進法の施行前後から、メディアやSNSで発信されているLGBTに関する意見や情報に誤解が多いことに驚かされました。つまり、LGBTについて知らない状態で意見を述べているのです。もちろん、すべての人がそうではありませんが、実は私が思っているほどLGBTについて知られていないのではないかという危惧から、今回は「まずは知ってもらおう」という姿勢で講座内容を組み立てました。
このような私の意図が伝わったのか、「理解することの前に知ることからというテーマがしっくりきた」というご感想をいただき、大変嬉しく思っています。産業カウンセラーの皆様には、お伝えした知識や情報をお仕事に活用いただくとともに、ぜひ周りの方々にも伝えていただきたいと願っています。
2.多様性疲れ?


私は、偶然SNSで見かけた「多様性疲れ」という言葉がずっと気になっていました。このことも「理解の前に知ることから」という副題にした理由の一つです。「多様性や自分らしさを錦の御旗のように掲げ、結局LGBTはわがままなのではないか。」、「多様性といいながら、LGBTを認めることを押しつけている。LGBTを嫌いなことも多様性の一つではないか。」といった意見です。
この点は、講座の中でも取り上げ皆様にディスカッションをしていただきました。その際に「内心の自由は規制できないので、対話が必要」というご意見がありましたが、私もそう思います。私個人としては、研修や講演の場で「LGBTを好きになってほしい」と言ったことは1回もありません。無理に理解しろと言ったこともありません。嫌いなものは嫌いなので、こればかりは致し方ないと考えているからです。ただ、多様な性が存在していることは事実であり、LGBTと呼ばれる方が存在するのも事実です。私もその一人です。そのことだけは譲れないので、その事実を知っていただきたい、頭の片隅にでも置いていただきたいと考えています。そこから対話に結びつく可能性はあり得ます。このような地道な情報発信が大切であると考えています。
3.参加者の感想

今回の講座では「知ること」に重点を置きましたが、LGBTの方そのものだけでなく、LGBTを取り巻く社会動向にも触れ、より身近なものとして理解を深めていただきました。ご参加いただいた皆様、誠に有難うございました。
【いただいたご感想】
・LGBTの社会動向や相談のポイント等とても参考になりました。また、資料もとても分かりやすく理解しやすかったです。
・SNS相談時の相談者への言葉かけの幅が広がったと感じる。
・企業領域でのキャリア支援において、いままで基礎的な知識が不足していたために、今後の学びが活かせると思う。
・参加者の皆さんが熱心に学んでいらしたことが印象的でした。講師の方の誠意が感じられました。
・日本の(産業)社会が、効率性を高めるために多様性・インクルーシブとは逆の価値観で運営されてきたが、少し手間がかかったり、効率が落ちても、多様性・インクルーシブがコンセンサスになるような社会を目指したいと思います。本日は、ありがとうございました。
・人間は言葉で解決できる生き物だと信じているんので、学ぶことことで知って→対話して→お互いに認め→理解しあえればと感じました。
