男らしさとは?~過去から未来への挑戦~

元日の読売新聞朝刊の「くらし家庭欄」に、「男らしさって」という記事が掲載されていました。従来の「男らしさ」の価値観が薄らぐ中、新しい男性たちの姿を追う第1回目です。元日にジェンダーを扱った記事が掲載されることに時代の変化を感じましたので、記事を読んでの感想を綴っていきます。

1.「らしさ」という言葉

そもそも「らしさ」とは何でしょうか。「らしい」という言葉はよく耳にしますが、ひとつの判断基準として使われることが多く、「らしい」は肯定的に「らしくない」は否定的に使われることが多いようです。例えば、「はっきり意見を主張して”男らしい”」は肯定的、「こんなことで泣くなんて”男らしくない”」は否定的です。「最後までやり通して”あなたらしい”」「こんな失敗をするなんて”あなたらしくない”」というように、個人に対して使う場合もあります。お気づきかと思いますが、「らしい」とは、本来あるべき姿として使われています。この「本来あるべき姿」が、さまざまな社会規範として私たちを縛っていることが多いのではないかと思います。

2.男らしさの3要素

京都産業大学教授の伊藤公雄さんは、この記事の中で「男らしさ」とは歴史や社会によって作り出されたものだと述べています。そして、それは時代や身分などで異なるとしています。このことは、「らしさ」とは「本来あるべき姿」という意味で使われながらも、時代とともに変化していることを意味しています。
私もこの見解には賛同します。現に、私が子どもであった昭和40年代と令和6年の現在とでは、「男らしさ」に対する価値観は変わってきています。例えば、美容に対する男性の意識は大きく異なり、当時は美容に気を遣う男性に対しては「男のくせに」「男らしくない」と言われていました。しかし、現在はそのような声は少なくなっています。
一方で、男らしさの3要素は「優越・所有・権力」だと伊藤さんは述べています。これらは、一昔前の男らしさをイメージさせる言葉です。時代が進むにつれて価値観も変化していると頭では分かっていても、今でもこのような指向に縛られている男性は多いのではないでしょうか。このように、社会規範というものは私たちに染みついているものと言えるのです。

3.変化から多様化へ

伊藤さんが述べているように、「男らしさ」とは歴史や社会によって作り出されたものであり、時代とともに変化しています。しかし、現代社会では男性像が変化するだけでなく多様化し、個々の考え方や価値観が尊重される傾向が強まっています。男らしさはもはや1つの定義に縛られず、柔軟性や感受性が求められています。強さや支配欲だけでなく、共感や協力も新たな男性像の要素として浮かび上がっています。
今後はますます男性も感情を自由に表現し、自己実現を追求することが尊重されるでしょう。伝統的なジェンダーロールに縛られず、個々の個性が尊重される社会となっていくものと思われます。男性であるということは重要なアイデンティティの1つではありますが、他者や社会が作り上げた男性像に縛られず自身の本質に向かい合い、自分らしく豊かな生き方ができる社会を私は望みます。

男らしさの定義が時代とともに変化・多様化する様は、過去から未来への旅のようでもあり新たな挑戦のようでもあります。こうあらねばならないという「べき思考」に囚われず、自分らしい生き方に挑戦することは、生きやすさにつながるのではないでしょうか。

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