「人生が変わる★心理学講座」にゲストとして参加しました

「人生が変わる★心理学講座」のゲストスピーカーとして話をさせていただきました

11月28日に心理カウンセラーの林真路さんが主宰する「人生が変わる★心理学講座」のゲストスピーカーとして話をさせていただきました。

1.「人生が変わる★心理学講座」とは

「人生が変わる★心理学講座」とは、さまざまな困難を乗り越えた人をゲストスピーカーとして招き、その話を受けて林さんが心理学の観点から解説するというイベントです。元々はうつを乗り越えた方々の話が中心だったと聞いています。乗り越えた方々のお話の中には必ず有益なヒントがあるという林さんのお考えのもと、今までに70名を超える方々に話をしていただいたとのこと。それを無料で継続しているのですから頭が下がります。今回は、LGBT(性的マイノリティ)当事者である私がどのような思いを持ちながら生きてきたのか、話しをさせていただきました。

2.私が話したこと

『自分との闘いをやめた時、自分に素直になれ、やるべきことが見えてきた!』というタイトルでお話させていただきました。
冒頭に「SOGI」と「LGBT」について簡単に説明し、小学生から現在に至るまで年代ごとの環境や私の気持ち・考えについて話をしました。細かい話はここでは省きますが、転機は3回あったと思います。

1つ目は、自分がゲイ(男性同性愛者)だと自覚した時。1980年17才の時です。私の場合、自分がゲイであるということはすんなり受け入れることができました。むしろ、自分が何者か分かってほっとしたくらいだったのです。というのは、バンカラな雰囲気が残る男子校に入学した私は、本来の自分を出せずに苦しんでいたからです。中学までの私は、友人関係も趣味も男女という枠を全く意識せずに「自分の好きなものは好き」という態度でいました。しかし、高校でもそのままだと、からかいの対象になる恐れがあったので、私は自分を隠し友人関係も希薄になっていったのです。一方で自分のセクシュアリティを受け入れることは、17才なりにゲイとして生きる覚悟を持ったことでもありました。覚悟とは「ゲイということを周囲に理解してもらおうなどと期待しない」「少々の差別や偏見を受けても周りのせいにしない、自分が強く生きればよい」というものでした。これらの覚悟が良くも悪くもその後の私の生き方に大きく影響することになります。

2つ目は、30代に転職して初めて感じた、セクシュアリティに起因した周囲からのストレスです。いわゆる結婚圧力や偏見のある発言などですが、20代の時には予測もしなかったストレスに戸惑いました。しかし、この時期も私は「周囲のせいにしない、自分が強くあれば良い」という17才の時の覚悟で乗り切ろうとしました。

3つ目は、会社を辞め新たな自分の生き方を模索し、ようやくそれがクリアになってきた現在。退職したり両親が他界したりといった環境の変化もあり、17才の時の覚悟を手放そうと決めたことです。これが、今回のテーマである「自分や社会との闘いをやめる」ということに繋がっています。

3.林さんの心理学講座

私の話を受けて、林さんは「ニューロ・ロジカル・レベル(上図)」を引用して次のことを話してくださいました。悩みは「能力・行動・環境」で起こることが多く、抽象度が高い「アイデンティティ・信念」から見ていくと悩みは無くなっていくのだそうです。例えば、環境や行動レベルで親や社会のルールに従って生きてきた人が、何か違うなと気づきます。それは、本当は自分がどうありたいのかという「アイデンティティ」とそれ以下にあるレベルが異なっていたと気づくことで、主導権が親や社会から自分に移ることでもあります。つまり、「~しなければならない」という生き方から「~したい」という生き方へ変容したと言えます。

ところが、私の場合は逆だと林さんは仰います。小中学生の時は自分らしく生きていたのが、高校進学と同時にそれが通用しなくなる。そして、自分がゲイだと自覚し覚悟をするのですが、それは自分らしく生きるのではなく、苦しい方、生きづらい方に進むことになってしまったのです。上図で言うと「環境」主導で生きることになったわけです。環境指導で生きることは「~しなければならない」に縛られるのでしんどい。しかし、私は「環境のせいにしてはならない」と頑張ります。そのような時には「自分を客観的に見ること」や「誰かの助言を受けること」が大切だと、林さんは仰います。

時が過ぎ(転機の3つ目)、私は遅ればせながら自分に向き合います。林さんは「自分に向き合うことは他者を知ること」「この時に葛藤の統合が行われた」と分析なさいました。たしかに、この時に私は「全て自分で抱えなくても良い」ということと「セクシュアリティの問題は、社会の問題である側面も大きい」ということに気づき、それを踏まえた上で自分は何をすべきかを考えるようになります。つまり、自分の軸がようやくしっかりとしていったのです。

林さんは「主導権をどこに置くかが大切だ」と力説なさいました。「人間は意識しているものや大切なものにとらわれやすい。しかし、自分がとらわれていることに気づかなければならない時が来る。それは今までの自分が通用しなくなった時。とらわれに気づき手放す。それは、あらがうのをやめてありのままの姿で生きること。」と林さんはまとめました。そして「私が自分との闘いをやめたのもまた覚悟である」と締めくくって下さいました。

 

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